An error occurred: ‘ascii’ codec can’t encode characters
Pythonでスクリプトを書いていると、以下のようなエラーに遭遇したことがあるかもしれません。
An error occurred: 'ascii' codec can't encode characters in position 10-19: ordinal not in range(128)
このエラーは、特に日本語などの非ASCII文字を扱う際に頻発する問題です。ここでは、このエラーの原因とその解決策について解説します。
エラーの原因
このエラーの主な原因は、PythonがデフォルトでASCIIエンコーディングを使用しようとする場合に、日本語などのASCIIに含まれない文字を適切に処理できないことにあります。特に、日本語を含むスクリプトやファイルの読み書きで、エンコーディングを明示的に指定していないと、文字化けやエンコードエラーが発生することが多いです。
解決策:エンコーディングの明示的な設定
日本語を含む文字列を扱う場合、以下のようにスクリプトにエンコーディングを指定しておくことが推奨されます。
標準入出力のエンコーディング設定
Pythonの標準入出力をUTF-8で扱うように設定することで、多くのエンコードエラーを防ぐことができます。特に、システムのデフォルトエンコーディングがUTF-8ではないWindows環境では有効です。
import sys
sys.stdout.reconfigure(encoding='utf-8')
sys.stdin.reconfigure(encoding='utf-8')
この設定を加えることで、標準入出力がUTF-8エンコーディングに統一され、日本語の出力や入力で発生するエラーを防止できます。
Python 3.7以前の対応方法
reconfigure()
メソッドはPython 3.7以降で使用可能ですが、3.7より前のバージョンでは使えません。代わりに以下のコードを使用して、標準入出力のエンコーディングを設定してください。
import io
import sys
sys.stdout = io.TextIOWrapper(sys.stdout.buffer, encoding='utf-8')
sys.stdin = io.TextIOWrapper(sys.stdin.buffer, encoding='utf-8')
ファイルの読み書きでのエンコーディング指定
ファイルを開く際にも、エンコーディングを明示的に指定することが重要です。特に、デフォルトでASCIIやシステム固有のエンコーディング(例えばcp932)が使用されている環境では、日本語の文字列を含むファイルの読み書きに失敗する可能性があります。
with open('file.txt', 'r', encoding='utf-8') as f:
content = f.read()
このように、open()
関数でencoding='utf-8'
を指定することで、エンコードエラーを回避できます。
Windowsのシステムロケールを「UTF-8」に変更する手順
Windowsの環境でPythonを使用する場合、システムのデフォルトエンコーディングを「Shift-JIS」から「UTF-8」に変更することで、文字コードの問題を根本的に解決することができます。以下にその手順を詳しく説明します。
- コントロールパネルを開く
- 「スタート」メニューを開き、「コントロールパネル」と入力して選択します。
- 「時計と地域」セクションを選択
- 「時計と地域」セクションをクリックし、その中の「地域」を選びます。
- 「地域の設定」ウィンドウを開く
- 「地域の設定」ウィンドウが表示されたら、「管理」タブを選択します。
- 「システムロケールの変更」をクリック
- 「システムロケールの変更」ボタンをクリックします。この設定により、非Unicodeプログラムで使用する文字コードを変更できます。
- 「ベータ:Unicode UTF-8 を使用して世界対応の文字コードをサポートする」をチェック
- 「現在のシステム ロケール」ダイアログが表示されたら、「ベータ:Unicode UTF-8 を使用して世界対応の文字コードをサポートする」にチェックを入れて「OK」をクリックします。
- 再起動
- 設定を有効にするために、システムを再起動します。この変更により、Windows全体のデフォルトエンコーディングがUTF-8になります。
この手順を実行することで、Pythonを含むすべてのアプリケーションでUTF-8がデフォルトで使用されるようになり、日本語の文字化けやエンコードエラーが発生しにくくなります。
エンコーディング設定の利点
- 環境の一貫性:
- Windowsなど、システムのデフォルトエンコーディングがUTF-8でない環境でも一貫してUTF-8を使用できます。
- トラブル防止:
- 標準入出力での文字化けを防ぎ、ログ出力やファイル操作時の文字化けも回避できます。
- デメリットが少ない:
- パフォーマンスへの影響はほとんどなく、他の処理に悪影響を与えることもありません。
まとめ
Pythonで日本語を扱う場合、エンコーディングの問題は避けて通れません。しかし、あらかじめ標準入出力やファイルの読み書きでUTF-8エンコーディングを指定しておくことで、多くのトラブルを未然に防ぐことが可能です。特に日本語を含むプロジェクトでは、これらの設定を「ボイラープレートコード」としてスクリプトに組み込むことを強くおすすめします。
また、Windows環境においてシステムのデフォルトエンコーディングをUTF-8に変更することで、文字化けのリスクをさらに減らすことができます。
これにより、開発効率が向上し、文字コードに起因する不具合に悩まされることも少なくなるでしょう。
「ボイラープレートコード」とは、よく使われる定型的なコードのことを指します。特にプログラミングの際に、共通のタスクを行うために何度も繰り返し使うコードです。これらのコードは毎回手作業で書くのが面倒で時間がかかるため、あらかじめ用意して再利用することで、効率的に開発を進めることができます。例えば、エンコーディングの設定やログの初期化などのような、プロジェクトごとに共通する設定や処理が「ボイラープレート」として扱われることが多いです。
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